設計者の発言

業務システム開発とデータモデリングに関する語り

2022-01-01から1年間の記事一覧

選挙をDXするためのデータモデル

抜本的に見直した自治体システムを趣味で開発しているのだが、住民税管理や固定資産管理や選挙管理といったモジュールが面白い形でまとまりつつある。選挙管理に関して気づいた現状の問題は以下のとおりで、これらがどのように手当てされるかを説明したい(…

基本のキ「簿記のデータモデル」を学ぼう

エンタープライズシステム(業務システム)は「仕訳入力システム」が発展したものだ。もともとは伝票形式で勘定科目を指定する形だったが、個々の業務に特化することでユーザは科目を意識しなくてよくなった。同時に、各業務に固有な管理項目を取り込むこと…

アラ還プログラマは何をプログラミングしているのか

筆者はアラ還の現役プログラマである。幸い視力を含めて健康なので、プログラミングに苦労を感じたことはない。さすがに20代の頃のような体力はないが、求められている情報処理課題に対するソリューションの構想力はその頃より桁違いに向上している(それだ…

データよりも「データ様式」が重要だ

「現代の経営においてデータの重要性が高まっている」といった言い方をよく耳にするようになった。たいていは、ビッグデータ分析とかデータ駆動経営といったバズワードの文脈なのだが、いつも残念な気持ちになる。それらが効果を上げるには「所与のデータ様…

業務システム開発の分業体制には弊害しかない

例によって業務システム(エンタープライズシステム)に関する話である。商品管理、受発注管理、売掛買掛管理、在庫管理といった活動を支えるソフトウエアに限った話だ。業務システム開発の世界でこれまで主流だった分業体制は、すでに過去の遺物であり旧弊…

そのデータモデルに「ソリューション」はあるか

職業がら多くのデータモデルを見る機会があるのだが、根本的な発想が間違っているために何のアドバイスもできないことがある。そういったケースではしばしば設計担当者が自分のスタイルに固執しているので、アドバイスなどそもそも余計なお世話だったりする…

アジャイルとマイクロサービスは最悪な組み合わせ

アジャイル手法とマイクロサービス(MSA)には妙な親和性があって、ほおっておくと簡単に結びつく。ユーザ企業にとっての顧客が直接利用するSoE系のソフトウエアであれば話は別だが、ユーザ企業のバックエンド業務を支える基幹システムの開発でこれらを導入す…

データモデリングのコツ:抜本的に考える

データモデリングの実践に必要な専門知識が3つある。文法知識(関数従属性を含む図法に関する知識)、業務知識(会計等を含めた適用分野に関する知識)、そして、さまざまなモデリング事例の知識だ。これらは一朝一夕には身につかないが、それこそが労働市…